広がる“LOHASな”○○…(日経エコロジー神保重紀編集長の環境マーケティング)
掲載日:2005/11/21 媒体:日経流通新聞MJ,4面
定着へ問われる真価
この夏から秋にかけて、都内の百貨店で「LOHAS(ロハス)」の名称を使った フェアや催事が相次いで開かれた。ある百貨店では和食器や有機栽培食品を中心に売り場に並べたり、別の百貨店ではLOHASの専門誌と提携し、化学物質を 含有しない商品のラインアップを充実させたりするなど工夫を凝らしていた。どの会場も、女性客でにぎわっていた。
若い女性向けファッション誌にも「LOHASなスポット紹介」といった見出しが躍る。米国生まれのホットヨガの教室は相変わらず満員だという。消費の最前線で、LOHASへの注目度が一気に高まっている。
国内でLOHASを積極的に紹介している調査会社、イースクエア(東京・港)のピーダーD・ピーダーセン社長は「LOHASはファッションの一面があり、現在はブームかもしれない。ただ、メガトレンドになることは間違いない」と力を込める。
実際、同社が十一月十六日に都内のホテルで開いたセミナーには企業関係者ら約百人が集まり、関心の高さを示した。
LOHASは健康や環境保護を優先したライフスタイルのことで、そうした生活を実践する人々はLOHASコンシューマー(消費者)やLOHASピープルと呼ばれている。
米国の消費者調査によれば、成人人口約二億千五百万人のうち、こうした新しいライフスタイルを持つ人は全体の二三%を占め約五千万人に達するという。
LOHASコンシューマーは商品に対して単なる環境面への配慮だけではなく、機能や感覚といった面でも要求水準が高い。半面、価格への感受性が低く(単なる低価格志向ではない)、気に入ったブランドへの忠誠心が高いなどの特徴を併せ持つという。
代表例として取り上げられるのが、売れ行きが好調なトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」。低燃費という環境性能の高さに加え、デザインの先進性がLOHASコンシューマーに評価されたというわけだ。
生産国における農業の持続性を優先した有機栽培コーヒーが市場に受け入れられたのも、環境配慮以外の価値を購入者が見いだしたからだ。
米国の調査を実施したナチュラル・マーケティング・インスティテュートのスティーブ・フレンチ氏は「一九七〇年代の反戦や環境保護運動の洗礼を浴びた世代であり、考え方は子供にも影響を与えるのでLOHASコンシューマーは今後さらに増えるだろう」という。
同時にフレンチ氏はこうも指摘する。「実は日本の方がLOHASコンシューマーの割合が高く、米国の五―十年先を走っているはずだ」。根拠として、日本は エネルギー資源に恵まれず、省エネなどに対する関心が高いうえ、自然保護に熱心に取り組んでいるといった理由を挙げる。
本当かどうかわからないが、冒頭に紹介したような市場の変化を見ると、大都市圏では確実にLOHASの認知度が高まっている。
一方、懸念もある。LOHASのLはLifestylesという複数名詞の頭文字。いろいろなライフスタイルが認められると言うわけだ。それだけ解釈は様々で環境問題に対する取り組みをあいまいにしかねないという指摘である。
LOHASコンシューマーの拡大が環境配慮製品・サービスを提供する事業者にとって追い風であることは間違いない。環境性能の高さに加え、こうしたライフスタイルに合致する「価値」をどれだけ提供できるかが、LOHASをブームに終わらせない決め手になりそうだ。
【図・写真】都内で開かれた企業向けセミナー。LOHASへの関心の高さがうかがわれる
この夏から秋にかけて、都内の百貨店で「LOHAS(ロハス)」の名称を使った フェアや催事が相次いで開かれた。ある百貨店では和食器や有機栽培食品を中心に売り場に並べたり、別の百貨店ではLOHASの専門誌と提携し、化学物質を 含有しない商品のラインアップを充実させたりするなど工夫を凝らしていた。どの会場も、女性客でにぎわっていた。
若い女性向けファッション誌にも「LOHASなスポット紹介」といった見出しが躍る。米国生まれのホットヨガの教室は相変わらず満員だという。消費の最前線で、LOHASへの注目度が一気に高まっている。
国内でLOHASを積極的に紹介している調査会社、イースクエア(東京・港)のピーダーD・ピーダーセン社長は「LOHASはファッションの一面があり、現在はブームかもしれない。ただ、メガトレンドになることは間違いない」と力を込める。
実際、同社が十一月十六日に都内のホテルで開いたセミナーには企業関係者ら約百人が集まり、関心の高さを示した。
LOHASは健康や環境保護を優先したライフスタイルのことで、そうした生活を実践する人々はLOHASコンシューマー(消費者)やLOHASピープルと呼ばれている。
米国の消費者調査によれば、成人人口約二億千五百万人のうち、こうした新しいライフスタイルを持つ人は全体の二三%を占め約五千万人に達するという。
LOHASコンシューマーは商品に対して単なる環境面への配慮だけではなく、機能や感覚といった面でも要求水準が高い。半面、価格への感受性が低く(単なる低価格志向ではない)、気に入ったブランドへの忠誠心が高いなどの特徴を併せ持つという。
代表例として取り上げられるのが、売れ行きが好調なトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」。低燃費という環境性能の高さに加え、デザインの先進性がLOHASコンシューマーに評価されたというわけだ。
生産国における農業の持続性を優先した有機栽培コーヒーが市場に受け入れられたのも、環境配慮以外の価値を購入者が見いだしたからだ。
米国の調査を実施したナチュラル・マーケティング・インスティテュートのスティーブ・フレンチ氏は「一九七〇年代の反戦や環境保護運動の洗礼を浴びた世代であり、考え方は子供にも影響を与えるのでLOHASコンシューマーは今後さらに増えるだろう」という。
同時にフレンチ氏はこうも指摘する。「実は日本の方がLOHASコンシューマーの割合が高く、米国の五―十年先を走っているはずだ」。根拠として、日本は エネルギー資源に恵まれず、省エネなどに対する関心が高いうえ、自然保護に熱心に取り組んでいるといった理由を挙げる。
本当かどうかわからないが、冒頭に紹介したような市場の変化を見ると、大都市圏では確実にLOHASの認知度が高まっている。
一方、懸念もある。LOHASのLはLifestylesという複数名詞の頭文字。いろいろなライフスタイルが認められると言うわけだ。それだけ解釈は様々で環境問題に対する取り組みをあいまいにしかねないという指摘である。
LOHASコンシューマーの拡大が環境配慮製品・サービスを提供する事業者にとって追い風であることは間違いない。環境性能の高さに加え、こうしたライフスタイルに合致する「価値」をどれだけ提供できるかが、LOHASをブームに終わらせない決め手になりそうだ。
【図・写真】都内で開かれた企業向けセミナー。LOHASへの関心の高さがうかがわれる
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