« 2005年10月 | トップページ | 2007年1月 »

広がる“LOHASな”○○…(日経エコロジー神保重紀編集長の環境マーケティング)


掲載日:2005/11/21 媒体:日経流通新聞MJ,4面

定着へ問われる真価
 この夏から秋にかけて、都内の百貨店で「LOHAS(ロハス)」の名称を使った フェアや催事が相次いで開かれた。ある百貨店では和食器や有機栽培食品を中心に売り場に並べたり、別の百貨店ではLOHASの専門誌と提携し、化学物質を 含有しない商品のラインアップを充実させたりするなど工夫を凝らしていた。どの会場も、女性客でにぎわっていた。
 若い女性向けファッション誌にも「LOHASなスポット紹介」といった見出しが躍る。米国生まれのホットヨガの教室は相変わらず満員だという。消費の最前線で、LOHASへの注目度が一気に高まっている。
 国内でLOHASを積極的に紹介している調査会社、イースクエア(東京・港)のピーダーD・ピーダーセン社長は「LOHASはファッションの一面があり、現在はブームかもしれない。ただ、メガトレンドになることは間違いない」と力を込める。
 実際、同社が十一月十六日に都内のホテルで開いたセミナーには企業関係者ら約百人が集まり、関心の高さを示した。
 LOHASは健康や環境保護を優先したライフスタイルのことで、そうした生活を実践する人々はLOHASコンシューマー(消費者)やLOHASピープルと呼ばれている。
 米国の消費者調査によれば、成人人口約二億千五百万人のうち、こうした新しいライフスタイルを持つ人は全体の二三%を占め約五千万人に達するという。
 LOHASコンシューマーは商品に対して単なる環境面への配慮だけではなく、機能や感覚といった面でも要求水準が高い。半面、価格への感受性が低く(単なる低価格志向ではない)、気に入ったブランドへの忠誠心が高いなどの特徴を併せ持つという。
 代表例として取り上げられるのが、売れ行きが好調なトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」。低燃費という環境性能の高さに加え、デザインの先進性がLOHASコンシューマーに評価されたというわけだ。
 生産国における農業の持続性を優先した有機栽培コーヒーが市場に受け入れられたのも、環境配慮以外の価値を購入者が見いだしたからだ。
 米国の調査を実施したナチュラル・マーケティング・インスティテュートのスティーブ・フレンチ氏は「一九七〇年代の反戦や環境保護運動の洗礼を浴びた世代であり、考え方は子供にも影響を与えるのでLOHASコンシューマーは今後さらに増えるだろう」という。
  同時にフレンチ氏はこうも指摘する。「実は日本の方がLOHASコンシューマーの割合が高く、米国の五―十年先を走っているはずだ」。根拠として、日本は エネルギー資源に恵まれず、省エネなどに対する関心が高いうえ、自然保護に熱心に取り組んでいるといった理由を挙げる。
 本当かどうかわからないが、冒頭に紹介したような市場の変化を見ると、大都市圏では確実にLOHASの認知度が高まっている。
 一方、懸念もある。LOHASのLはLifestylesという複数名詞の頭文字。いろいろなライフスタイルが認められると言うわけだ。それだけ解釈は様々で環境問題に対する取り組みをあいまいにしかねないという指摘である。
 LOHASコンシューマーの拡大が環境配慮製品・サービスを提供する事業者にとって追い風であることは間違いない。環境性能の高さに加え、こうしたライフスタイルに合致する「価値」をどれだけ提供できるかが、LOHASをブームに終わらせない決め手になりそうだ。
【図・写真】都内で開かれた企業向けセミナー。LOHASへの関心の高さがうかがわれる

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

耐震強度偽造――用地コスト増大、施工にしわ寄せ、マンション各社、顧客対応乗り出す

掲載日:2005/11/22 媒体:日本経済新聞 朝刊,3面

 マンション各社は入居者の不安を解消するため自社物件の点検や顧客への通知対応に乗り出した。野村不動産や東 京建物、リクルートコスモスなどは物件の施工情報の調査に着手。中堅開発業者のゼファーは、今回問題となっている設計事務所と取引関係がなかったことを分 譲・契約済みの顧客に通知した。
 偽造問題の背景には「開発会社などによる過度の安値競争がある」(日本建築構造技術者協会の大越俊男会長)。全 国のマンション供給は年間約十六万戸。首都圏はその半分を占め、七年連続の年間八万戸超とバブル期の二倍の水準が続く。その約半分を中小の開発業者が供 給。公共事業の削減にあえぐ地方の業者も多数参入している。
 特定非営利活動法人(NPO法人)「建築Gメンの会」の中山良夫事務局長は「売れ筋の家族向けマンションでは、施主が設計会社に『なるべく安い工費で仕上げてほしい』と要求することが多い」と言う。
  ただ都心部では用地の仕入れコストが路線価の三倍に跳ね上がる例も珍しくない。しわ寄せは施工業者に向かい、「受注価格はバブル期の半値」(大手建設会 社)まで落ち込んだ。中小業者は仕様を落としたり居住面積を狭くしてコストを抑えるが、今回は柱や梁(はり)など構造部にまで及び安全性を揺るがした。
 二十一日に記者会見した不動産協会の岩沙弘道理事長(三井不動産社長)は「コスト削減と構造上の安全確保は別の次元の話。今回はレアケースだと信じている」と市場全体に不信感が広がるのを懸念した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2005年10月 | トップページ | 2007年1月 »